【トルクキープご使用に関するQ&A】  

トルクキープご使用に関するQ&A(前編)

トルクキープは、より、安全なタイヤの脱着作業を行うため、ホイールボルトナット専用潤滑剤として開発された製品です。 ホイールボルトナットの不具合が発生すると、走行できなくなるばかりでなく、タイヤ脱落の原因となり場合によっては生命が危険にさらされる場合もあり、自動車の中でも最も重要な部品となっています。 トルクキープに関するQ&Aをまとめましたので、より安全に製品をご利用いただくため、トルクキープをご使用になる前に是非ご確認下さい。


■Q1 なぜ、ホイールボルトナットに油脂類を塗布しなければならないのですか?  


□A1 より、安全で適正な締め付けとを行うためです。

かじり、焼き付きを低減する、A錆の発生を抑える、B軸力(締付け力)を安定化させる、C軸力(締付け力)を効率よく与える、以上を目的にホイールボルトナットに油脂類を塗布する必要があります。

■Q2 なぜ、二硫化モリブデン配合されたエンジンオイル及び、グリースの使用は出来ないのですか?


□A2 摩擦係数が小さくなり締め付けすぎの原因につながります。

二硫化モリブデンは、非常に優れた潤滑剤で摩擦係数がかなり小さく、ボルトナットの潤滑剤として使用すると、同じ締付けトルクでも締付け力が大きくなり、ボルトナットが塑性変形(ボルトが延びたまま戻らなくなる)する可能性が高くなります。ゆえに、国土交通省、メーカーなどでは、その使用を禁じています。

※ ホイールボルトナットは、繰り返し使用するため、弾性域締付け(ボルトが延びても戻る範囲での締付け)を行なう必要があり、一度塑性変形した部品を使用することは非常に危険です。

■Q3 ホイールボルトナットに塗布する潤滑剤の種類で、それほど走行に影響するものなのですか?


□A3 潤滑剤の種類によって、締め付け力が大きくかわるため、走行にも大きく影響します。

トルク管理が正確に行なわれていても、潤滑剤の種類によって、軸力(締付け力)は、2倍、3倍、1/2、1/3になる場合があります。これは、ナットを回転する力が、ねじ面摩擦と座面摩擦に約9割使われ、実際に部品を固定する軸力(締付け力)は約1割だけとなるため、摩擦状態によって軸力(締付け力)が大きく変化することとなります。あまり知られていませんが、潤滑剤の種類によって、締付け状態が大きく変化すると言えます。

■Q4 メーカーではエンジンオイル、シャーシグリースの塗布を推奨していますが、トルクキープを塗布する必要はあるのですか?


□A4 より安全で適切な締め付けを行うためには、トルクキープのような、より高水準な潤滑剤が求められます。

ホイールボルトナットに塗布する油脂類としては、エンジンオイル、シャーシグリースは、スタンダードであり、トルクキープは、高水準な製品といえます。ご存知かと思いますが、特にホイールボルトナットは、自動車の多くの部品の中でも、最も重要な部品であり、この部品をデリケートに扱うこと、より良い状態に保つことが、自動車整備の中でも最も重要といっても過言ではありません。従って、より効率的な整備を行うためには、トルクキープが必要となっていきます。

■Q5 トルクキープを奨めるということは、エンジンオイルではだめであるということですか?


□A5 トルクキープは、エンジンオイルを否定するものではありません。

弊社では、エンジンオイル、シャーシグリースを塗布することを否定しているわけではありませんが、トルクキープはホイールボルトナットに油脂類を塗布する目的【@かじり、焼き付きを低減する、A錆の発生を抑える、B軸力(締付け力)を安定化させる、C軸力(締付け力)を効率よく与える】をより確実に満たすことが出来ます。ホイールボルトナットの管理の重要性を理解いただき、よりトラック・バスユーザーの安全を考えていただける整備工場様にご使用頂ければ幸いと考えております。

■Q6 ホイールボルトナットに塗布する油脂類は、CRC潤滑剤ではだめなのですか?


□A6 CRCなどの潤滑剤は、ホイールボルトナットに塗布する油脂剤としては、適しているといえません。

CRC潤滑剤は、ボルトナットを緩めるために使用するものであり、締付け時に使用すると、緩みの原因になる可能性があるので、この箇所(ホイールボルトナット)での使用は控えた方がいいでしょう。

■Q7 トルクキープはどこに塗布すればいいのですか?


□A7 ホイールボルトナットのネジ部及び座面部(メーカー油脂類塗布指定箇所)です。

■Q8 トルクキープ、1本で何本のボルトナットに塗布可能ですか?


□A8 使用状況によってかなり差が出ますが、塗布大型車ホイールボルトナットであれば、200本〜400本程度(大型車で5〜8台程度)塗布可能です。

■Q9 トルクキープを使用すれば、ホイールボルトナットは何回までの脱着が可能ですか?


□A9 使用回数で保障できるものでは、ありません。

締付け作業、車両の環境、走行距離、錆の発生度合いなど、様々な条件により劣化の進行状況は変わっていくため、特に何回まで使用できるとはいえません。作業者にて、劣化状況を確認し、部品の交換時期を判断下さい。

■Q10 アルミホイールでも、スチールホイールでも使用可能ですか?


□A10 使用可能です。

■Q11 ISO方式、JIS方式どちらでも使用可能ですか?


□A11 使用可能です。

■Q12 トルクキープを使用する際には、新品のホイールボルトナットでなければならないのですか?


□A12 必ずしも新品のボルトナットである必要はありませんが、当然部品の劣化が著しい部品は交換しなければなりません。

先にも記載しましたが、ホイールボルトナットの劣化の進行は、ホイール脱着作業内容、部品の状態、潤滑剤の種類、走行内容で変化していきます。従って、効果的にトルクキープを使用するためには、ホイール脱着作業内容、正常な部品の使用は欠かせません。

■Q13 劣化したホイールボルトナットにトルクキープを塗布すると、状態は回復しますか?


□A13 一度劣化したボルトナットは、回復することはありません。

一度劣化したボルトナットは、回復することはありません。トルクキープは、部品劣化を遅らせることはできますが、劣化したボルトナットは交換する必要があります。


トルクキープご使用に関するQ&A(後編)


■Q14 トルクレンチを使用し、十分安全な締付けを行っているので、潤滑剤までこだわる必要は無いと思うのですが?  


□A14 トルク法締めつけを行っても、潤滑剤の種類により、軸力は大きく変化します。

ホイールボルトナットの劣化の進行は、ホイール脱着作業内容、部品の状態、潤滑剤の種類、走行内容で変化していきます。ホイール脱着作業内容を正確確実に行なっても、潤滑剤の選定を誤ると、不具合の原因となる場合があります。逆に、ホイール脱着作業内容を正確確実に行い、高性能の潤滑剤を使用することで、自動車のより安定した走行が可能となります。

■Q15 トルクキープを使用すれば、インパクトレンチで締付けを行っても十分安全といえますか?  


□A15 トルク法での締め付けを行ってください。

8トン以上の大型車でのホイールボルトナットの締め付けは、トルク管理を行い作業することが、法令にて、義務付けられています。

■Q16 今までの整備内容で不具合が発生したことがないので、新たに整備内容を変更する必要が無いと思うのですが?  


□A16 平成19年4月に自動車点検基準改正により、今までよりも自動車所有者、自動車整備者の責任が大きくなり、その分リスクが拡大したといえます。従って、これまでの作業に加え、対策を行なう必要があります。

* 自動車点検基準改正により、具体的に以下の内容が追加、見直しされています。

■Q17 他店に聞いても同様の潤滑剤を使用している事業所があまりないのですが?  


□A17 他店にないサービスを行うことで、差別化をはかり、クライアント確保につなげることが出来ます。お客様へのアピールの材料としてください。

■Q18 トルクキープの耐熱温度を教えてください。  


□A18 〜200℃であれば、特に成分が急激に変化することはありません。

■Q19 ホイールボルト部分の熱により、トルクキープが固着し、ホイールボルトナットが取れなくなることはありませんか?  


□A19  トルクキープの成分を加熱すると、オイルの粘度が低下する傾向があります。加熱により固着する可能性はありません。

■Q20 トルクキープをホイールボルトナットに塗布することで、逆に緩みが発生しないですか?  


□A20 ありません。

どのような、部品、潤滑剤を用いても、振動による緩みをとめることは出来ませんが、トルクキープを塗布することで、エンジンオイルよりも、緩みの進行を遅らせることが出来ます。このことは、振動緩み試験にて確認を取っております。

■Q21 トルクキープをホイールボルトナットに塗布することで、何か不具合がありますか?  


□A21 正常な使用方法を行なえば、特に不具合はありません。

正常な使用方法を行なえば、特に不具合はありませんが、トルクキープ成分が付着した表面に、塗装を行なうと、塗装剤がムラになることがあります。また、トルクキープの成分にホコリ、ゴミなどが付着すると、固まって取れにくくなることがありますので、余分なところにトルクキープの成分が付着した際は、パーツクリーナーなどで、良く取除いてください。

■Q22 トルクキープを使用することで経費がかかり、デメリットばかり目立つのですが?  


□A22 長期的に見ればメリットを生む事ができます。

すぐに数字として現れることは難しいので、一見メリットがわかりにくいのですが、部品の良状態の維持ができることのほかに、お客様からの信用獲得、整備工場のイメージアップ、整備士の意識向上などの効果も期待でき、長期的に見れば、様々なメリットを生むことが出来ます。また、トルクキープはリスクを低減する為の商品ともいえます。

■Q23 防錆剤として使用可能ですか?  


□A23 防錆剤としても使用可能です。

ISO 方式ボルトナットの大型車ホイール・タイヤ嵌め合い部の錆の発生を低減します。 ISO 方式ボルトナットの大型車ホイール・タイヤ嵌め合い部 が錆びるとタイヤが外れにくいなどの不具合が発生します。
 

その他の使用箇所
トルクキープの防錆性は優れているため、防錆剤としても使用可能ですが、原液粘度が高いので、埃などが付着する場合があります。 使用環境が適切であるかご確認のうえ、ご使用下さい。

■Q24 その他の箇所に使用できますか?  


□A24 使用可能です。

トルクキープは、シリコーンオイルを基油としているため、プラスチック、ゴム(シリコーンゴムを除く)などを侵すことはありません。 プラスチックが基材となっている箇所で、振動によって緩みやすい箇所のボルトナットへも使用することが出来ます。

その他、ホイールボルトナット以外への使用については、使用環境が適切であるかご確認のうえご使用下さい。

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